行ってきました。ツアーじゃない、正真正銘、手作り・自力の親子留学です。私が学生ビザを取り、子供は地元の公立小学校に通いました。アパートを捜して、運転免許を取って、車を買いました。そんないろいろな細かい話は、ノウハウのページでこれからだんだんに書いて行くつもりですが、まずは、FAQというかたちで基本的なバックグラウンドをどうぞ。

 Q1.「親子留学」って、どういうこと? 
 Q2. 最適な時期は? 期間は?
 Q3. そこまでする値打ちはあるのですか?
 Q4. 日本にいても、子供に英語を教えられるのではないのですか?
 Q5. なぜ、自分で教えないのですか?
 Q6. 二年間の留学で犠牲にしたものは?
 Q7. 母親の英語力に不安があります。なんとかなるのでしょうか?
 Q8. 予算はどれくらいかかりますか?


Q1.「親子留学」って、どういうこと?

ここでいう「親子留学」とは、業務上の海外赴任などで家族で海外で暮らす機会を得る可能性のない人たちが、子供連れで一定の期間を外国で暮らす「自費留学」を指します。
我が家の場合は、夫(会社員)が単身日本に残り、母親である私が二人の子供たちを連れてアメリカにやってきました。ケースバイケースで、お父さんと子供たち、あるいは家族全員で留学するというシナリオも考えられるでしょう。
留学の主な目的は子供の英語の習得および異文化環境に接する体験です。副産物として、親の英会話の上達、学位の取得、社会経験などが付いてきます。
ここでいう「英語の習得」とは、科目としての英語というレベルではなく、自分の中の一部分として、つまり手や足と同じように自由に操ることのできる自分の言語として、英語を習得する、ということです。言いたいことを、言いたいときに、すべて言える。これが、私の考える「ペラペラ」というレベルです。
これには、文法や単語の知識のほかに、文化的な順応も必要です。頭の中で正確に英作文できていても、外人を前にしてしどろもどろになっていたのでは、話にならないからです。ペラペラになることが、目標です。 [TOP]


Q2. 最適な時期は? 期間は?


企業の転勤などによる海外在住者の場合は、4-6年ものあいだ外国で暮らしますので、子供が英語を身につける時間は十分すぎるほどありますが、自費留学の場合は短期決戦です。
この場合、子供の年齢は、非常に重要な鍵になります。
外国語は、早すぎても、帰国してから忘れてしまいますし、遅すぎてはなかなか覚えられません。私は、自分の体験や周囲の人たちを観察した結果から、7, 8 歳に日本を出発するのが一番のプライム・タイムではないかと考えています。
期間としては、子供の英語の習得を確実なものにするためには、最低でも二年間は必要なのではないかと思っています。[TOP]



Q3. そこまでする値打ちはあるのですか?


それはもちろん、あります! 私は出発前から、この留学に関しては一切疑問を持っていませんでした。必ず、子供たちにとってすばらしい体験になるという自信のもとに準備を進めたのです。
この自信を裏付けるものとしては、(1)私自身が子供時代に体験した海外生活とその後の人生への影響 そして(2)私が体験、実感した日本で子供に外国語を学ばせることの困難さ(Q4参照) という二つの理由があります。
私は、特に成績がいいわけでも、勉強が好きというわけでもなく、かといって音楽や体育に秀でているというわけでもない、ごく普通の子供でした。
そんな私が、父親の転勤に伴って小学校時代の4年半をアメリカで過ごすことになり、英語という第二言語を習得しました。
結果として、英語は、私のその後の人生に強い影響を与えることになりました。成績や受験、就職などの面で得をしたということももちろんありますが、趣味や人格形成の部分でも、
二つの言語を理解できることによって、人生が豊かになったことを確実に実感しているのです。
バイリンガルであることの幸せは、落語と「サタデーナイトライブ」が両方同じように楽しめる「お得感」です。自分の中で二つの言語、二つの文化が生きていて、テレビのスイッチを切り替えるようにそれを自由に操ることができることが愉快なのです。
今、振り返ってみて「もしあのときアメリカに行っていなかったら」と考えると、ちょっとその先の人生がどうなっていたか想像できないほど、英語は私にとって重要な財産です。
その財産を、自分の子供たちにも所有してほしいと願うのは、親として、ごく自然なことだったのです。[TOP]



Q4. 日本にいても、子供に英語を教えられるのではないのですか?


「子供のうちに英語を」と強く思っていた私ですから、長男が幼稚園に入ると、通える範囲内でのすべての英語教室の「体験レッスン」「授業見学」「説明会」などに出かけて行きました。
その結果、「通わせたい」と思う教室は、電車で15分ほど乗った近郊の駅にある、日本人講師陣による英語教室ひとつだけでした。英語教室といえば、「外人講師」を売りものにしているところがほとんどで、私も最初は「外人の先生でなくっちゃ」と思っていたのです。ところが、現実問題、外国人は入れ替わりが激しく、ひどいところでは毎週のように先生が替わる教室もありました。これでは、「外国人と一時間過ごす」というだけで、継続した学習など望むべくもありません。また、それらの外人講師の多くは、単に「外国人」であるだけで、本当に英語教師の資格を持っている人は少ないということも知り、がっかりしました。
私が選んだ英語教室は、先生は全員日本人ですが、本物の「英語の先生」ばかりでした。年間を通してのカリキュラムがしっかりと組まれていて、長期的な展望に立って子供たちひとりひとりの進度を先生が把握してくれます。
長男は4歳の時から、長女は3歳の時から、週に一度この英語教室に通っていました。さらに、発音やヒアリングの面で、やはりネイティブスピーカーとのふれあいが必要と考えたので、オーストラリア人の夫婦が主催する「英語で遊ぶ会」のようなものにも入会し、それには自宅を開放し、週一回のレッスンの場としました。
ピアノ、スイミング、体操教室と、お稽古ごとでアフター幼稚園の予定はいっぱいです。そこに2種類の英語教室を入れることは容易ではありません。雨の日も風の日も、送り迎えに明け暮れ(おまけに車を運転しない私は、どこへ行くのも自転車の三人乗りです)、それでも週に2時間しか英語のために確保できないので、私はまだまだ不満でした。そんなことで英語が喋れるようになるわけがないからです。
そして長男が5歳の夏休み、2週間、サンディエゴに滞在しました。現地のサマーキャンプに参加させることが目的です。月曜から金曜まで、9:00-16:00の英語のみの世界です。アメリカでは、子供も大人もお互いをファーストネームで呼び合うのが、だいたい普通ですが、息子はキャンプのリーダーを「teacher!」と呼び続け(幼稚園の先生に「先生!」と呼びかけるそれを彼なりに英訳したものでした)、泣きながら初日を過ごしました。まさに彼にとっては泳ぐかおぼれるかの世界でした。この2週間のサマーキャンプを、3年間続けました。
この夏休みのサマーキャンプの効果があったのか、長男は、英語教室でも「ヒアリングの力が抜群」と評価され、小学校一年の夏に受けた「児童英検」では、満点をスコアしました。
しかし、それでもやはりペラペラにはなりません (「ペラペラ」の定義はQ1に)。私が「第二言語習得開始のプライムタイム」と考える7歳を長男はあっという間に通過し、すでに8歳になっていました。
長女は6歳です。逃してしまったら、二度とやってこないチャンスです。
夫と私は2年間、私が子供たちを連れて本格的にアメリカに留学するということを決意しました。

付録の後日談:  最近、長男に言われてすごくショックだったことがあります。それは、幼稚園時代から通っていた上にも出てきた英語教室ですが、「ボクはあれはイヤだった..」と、しみじみ言われたのです。楽しんで行っているとばかり思っていたので、本当にショックでした。送り迎えもあんなに大変だったのに...。理由は「女の子ばっかりだったし、そもそもボクは劇みたいなものはやりたくなかった」ということでした。「イヤだったら言ってくれてもよかったんだけど...」と言いかけて、いや、きっと当時の私は、彼にイヤと言わせない強いオーラを出しまくっていたのだな、と思いました。反省です。[TOP]


Q5. なぜ、自分で教えないのですか?


「お母さんができるんだから、なぜ家で教えないの?」これは、実によく聞かれることです。
子供の英語教育に関する雑誌などを読みますと、家中の家具に「table」「chair」「refrigerator」などとカードを貼ったりして、日常生活の中に英語教育を取り入れて子育てされている方などもいらっしゃるようです。そのような努力は、大変尊敬に値するものですし、きっといつか、なにかの形で実る努力だろうと思います。
実際に、私の友人の中にも「なぜか、英語が好き」という人が何人かいて、子供の頃に海外で暮らした体験などなくても、その人たちは高校、大学時代に自分で勉強し、確かに英語が大変上手になっています。
家庭内で親が一生懸命に英語を教える、親しませる努力をするということは、彼女たちのように「なぜか、英語が好き」という感覚を子供たちに与え、ポジティブな結果に繋がって行くのかな、と思います。
確かに私は英語をツールとして仕事をしていますし、4大英文科卒ですし、教員免許だって持っているのです。しかし、私は自分の子供たちがまだ幼児だった頃、そこまで家庭内で英語を教えようという努力はできませんでした。それはなぜなのかと問われれば、「たいへんすぎるから」とお答えするほかにありません。そこまでする時間的な余裕も、元気もなかった、というのが正直なところです。
まだ子供もいなかった頃、家庭で一切日本語を使わず、日本にいながら英語とスペイン語のみで子育てをして、見事にトライリンガルな子供になったという人の本などを読み、私にもそれができるかしらと考えていたこともありました。そこで、長男が赤ちゃんの頃、実際に英語で話しかけてみたりしたこともあったのです。でも、これは、とてつもなく照れくさくて、すぐにやめました。
英語で乳児に話しかけている自分の姿を「ばかみたい」と思ってしまうところが、私の「家庭内英語教師」としての不適格さを示しています。
それでも、家には英語のCDやビデオなどはもちろん完備してありました。でも、私たちは日本に住む普通の日本人の親子だ、というのが現実でした。ベトナム人の子供がベトナム語で育ち、ブルガリア人の子供がブルガリア語で育つのと同じように、うちの子供は日本語で育つのがあたりまえだったのです。そのあたりまえの環境に逆らって、二カ国語で乳児/幼児を育てるということは、ずぼらな主婦の私には、とてもできることではなかったのです。 [TOP]



Q6. 二年間の留学で犠牲にしたものは?


これは、「お父さんと過ごす時間」のひとことに尽きます。これ以外には、ありません。しかし、私たちの親子留学は、家族で相談し、納得したうえで実行した一大プロジェクトです。「寂しい」なんて、言っていられないのです。出発前に夫といろいろと話し合っているときに「一生ということを考えれば二年間なんて、なんでもない」と言った夫の言葉が、留学に踏み切る決め手となりました。
しかし、家族のひとりひとりが少しずつの犠牲を払ったこともおそらく事実で、これは離れて暮らす以上、仕方のないことだったと思います。これも、「転勤」ではあり得ない「留学」の特徴かもしれません。[TOP]






Q7. 母親の英語力に不安があります。なんとかなるのでしょうか?

これは、絶対になんとかなります。根性でなんとかします。夫の突然の転勤で海外にやってきた主婦の人たち、国際結婚の奥さんたちなど、アメリカで出会った主婦のみなさんに意見を聞いてみると、日常生活の英会話は、案外なんとかなるものだというのが大方の答えでした。しかし、電話でのダイレクト・セールスに捕まり、適当に「yes」と応えているうちに、買いたくないものを買ってしまった、という程度のかわいいダメージのエピソードはたくさんあります。本当に心配なのは、自動車の購入やアパートの契約などの時、不当な値段や契約料をふっかけられる心配があるときです。
高額の買い物をするときには、誰か英語の話せる人についていってもらうほうがいいでしょう。これは、子供の学校などを通じてお友達がたくさんできますから、さほど心配することはないと思います。
また、けがや病気で病院に行かなければならなくなってしまったとき、財布やクレジットカードを落としたり盗まれたりして警察に連絡しなければいけなくなってしまったときなど、緊急の場合の英会話はあらかじめ紙に書いて準備しておくといいかもしれません。
カリフォルニアでは、メキシコからの移民の数が大変多く、私の子供の通っていた小学校では、そのような、外国からやってきた親を対象とした「英会話教室」が無料で行われていました。
つまり、アメリカには「英会話が堪能ではない人」がそれだけたくさんいるということです。ですから、英語力に自信がないということは、さほど心配することではありません。
むしろ、それをいいわけに使って留学をあきらめようかと思う「後ろ向きの気持ち」が、留学の成功・失敗を分ける鍵なのではないかと、私は思います。[TOP]



Q8.予算はどれくらいかかりますか?

気になるお金の問題は、とても大切なことです。学生ビザでアメリカに入国する留学生にはアルバイトも許されませんので、留学中の生活費などは全て日本から持って行くということになります。
お金の問題に関しては、ノウハウ編の中で詳細にお教えします。私たち家族の家計簿を参考になさってください。私は節約とかやりくりが極端にへたな主婦なので、多分上手にやれば私たちが使ったより、ずいぶん安くあがるのではないかと想像しています。[TOP]