By 佐々木南実
◆女の子の夢は
"L square"
女の子が元気です。時代の流れなんでしょうか、カリフォルニアだからなんでしょうか。胸に "Boys Lie"
なんて書いたぴちぴちのチビTで、おへそのピアスをキラリとさせながら闊歩する姿などを見ると、強烈な女の子パワーを感じてしまいます。どういうわけか、ここカリフォルニアでも、男の子は影が薄いように思えてなりません。
"Girls RULE! Boys DRULE! " なんて言って、女の子たちは結束がとりあえず強いわけです。この
DRULE は drool (よだれを出して食べたがる) の綴りを RULE に合わせて変化させたもの。
彼女たちの人生の最終目標は、"L square"
。これは、つまり "2 L's"。"
Living Large" の略です。Living Large は、お金持ちの豪華な暮らしぶり全般を指しますが、生まれつきのお金持ちというよりも、成り上がり的なイメージが強い言葉です。伸ばした親指と人差し指で直角をつくって、両手で四角をつくって
"L square" です。ただし、女の子の話題に登場する言葉だからといって、この言葉を「玉の輿」と解釈するのは、危険です。お金持ちの旦那
(ダンナ = hubby)をゲットすること、という意味ももちろん含まれてはいますが、自分の手で一攫千金の夢をつかむことだって夢とは思っていないアメリカの女の子たちは、もっと広い意味をこめてこの言葉を使っているのです。
男女の言葉遣いが日本語ほどはっきり分かれていない英語では、「ギャル語」としてスラングをカテゴライズするのは難しいのですが、女の子の会話に頻出する言葉をピックアップしてみましょう。
"cool" のバリエーション:
・kosher
"Is everything kosher?"
= 「うまくいってる?」「イケてる?」
・dope
"Nelly's new album
is totally dope." = 「ネリーのニュー・アルバム、最高」
・in
"That distressed jeans
look is totally in." = 「あの古着のジーンズを使ったスタイルが今はやり!」
・tight
"Are you still friends
with Terry?"
"We are tight!"
「まだテリーと友だち?」
「超仲良いけど!」(「もう、バッチリ!」って感じでしょうか?)
この他にも、cool のバリエーションとしては、pimp, sweet, rad,
awesome, bad ass, sick ,bomb など、色々あります。
逆に、"un-cool" (つまんない) なことは、 lame
です。Boring, stupid など、さまざまなニュアンスがこめられる一言です。
"That class was lame"
= 「ってゆーか、あの授業サイテー」
「授業をさぼる」のバリエーション: skip, cut, ditch,
bounce
"I think I'm gonna ditch" = 「ってゆーか、もう帰る?」(「ふける」っていう日本語スラングはまだあるのでしょうか?)
ditch
は、なんとなく参加しない態度全般に使われます。
"Hey, what's the
matter? Everybody's suddenly ditchin' out on this"
「みんな急に引いちゃって、どうなっちゃってるの?」
bounce
は去ること全般の意味です。
"Let's bounce." = 「そろそろ行かない?」
友だち = dawg
"What's up dawg?" (「調子、どお?」)
"That's my dawg!" (「やったね!」)
男言葉では、"man" が多く使われるところを、女の子はdawgで置き換えています。女の子同士で メmanモ
とか メdudeモ とか言い合っていたら、おかしいですものね。英語にまれに存在する男言葉、女言葉の例といえます。
変わり者、仲間はずれ = wuss
"Everybody's treating him like a wuss just
because he hangs with girls."
「女の子と仲良くしてるからって、みんな彼のこと変人扱いなのよ。」
かっこいい男の子(女の子にも使用) = hottie
"What a hottie!" 「あいつ、イケてない?」
異性を常に物色していること = scammin'
"He's always scammin' on chicks." 「あいつって常にナンパの体勢、入ってない?」
◆
Is that for real! ってマジですか?
しばらく前に、MTVでアイドル歌手のMandy Mooreが司会をしていた番組の中に、"For real?
Or Surreal?" というクイズのコーナーがありました。ゲストに関するマルバツ問題を出して、回答者が「本当」と思ったら
"For real!" と叫び、「嘘」と思ったら "Surreal!" と叫ぶというコーナーでした。このコーナーが流行のきっかけとなったのかどうかは定かではないのですが、日本語の「マジ!?」に相当する言葉で、"Is
that for real!?" という表現が、女の子のあいだで定着しています。"surreal"
と韻を踏む感じで " furreal!?" と発音します。
"Like, how much is that guy furreal?"
「ってゆーか、あいつどこまでマジなの?」
"Is that true?" とは言わずに "Is that furreal?"
と、言います。"Is that a true story?" ではなく、"Is that
a furreal story?" など、" true" とそのまま置き換えることができます。
めんどくさがりや、怠け者 = slacker
"Don't be such a slacker!" = 「めんどくさがってるんじゃないわョ!」
雑誌などでも、" Are you a slacker?" (「あなたのslacker度は?」)
なんていう記事が載っていそうな、軽いノリの言葉です。
怪しい様子、信じられない感じ = shady
"That's shady." = 「そんなこと信じられなくない?」
Eminemの曲に出てくる"Slim Shady"と関係があるのか、ないのかは不明です。たぶん無関係である可能性のほうが強いでしょう。
友だち同士の軽い別れの挨拶は "Peace!"
= 「じゃーね!」
女の子らしい言い方で、"bye!"のかわりに "all
right, late!" という言い方もあります。
" I've got to go, all right, late!"
=「あ〜、もう行かなくっちゃ。遅れちゃう! じゃねっ!」
実際に「遅れちゃってる」かどうかは、どうでもいいことなのですが、なんとなくお喋りがつきない、かしましい感じが現れている面白いフレーズだと思います。もし男性のセリフとしてこのフレーズが出てきたら、絶対にオカマ言葉として訳したいところです。
常にぺちゃくちゃ話の尽きない女の子たち。元気だから話が尽きないのか、お喋りがパワーの源なのか、とにかくおばさんになってもそれは変わらない女性の基本。男の子たち、ヨロシクねっ!
All right, late!
(初出: イカロス出版刊 「通訳・翻訳ジャーナル」 2001年9月号)
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